レースシム発フィルムカメラ行

フィルムカメラ、自家現像、レースシム、ごった煮にしか出せない深みがある。(はず)

Fanatecブラックフライデー注文品が届かない。ただ、届かない。

ハンコン、レースシム界隈での中級以上を対象とした最大手といって差し支えないであろうFanatec。

そのFanatecの2023年のブラックフライデーセールに心を踊らせて私は何点か注文を行った。

当然すぐに届くものではないと予想していた1

しかし、私のFanatecブラックフライデーへの参戦が初めてだったこともあり、見通しは大変に甘かった。

結論を先に述べてしまうが、注文から4か月が経過しようとしている2024.03.11、まだ商品を受け取ることはできていない2

配送事故で荷物がロストした等ではなく、純粋に発送が行われていないのである。

予想をはるかに上回る待ち時間に怒りを覚えた時期もあったが、最終的にはSimagic3製品を購入することで無事平静を保った。

以下、時系列での状況(問い合わせのやり取り概要含む)を記録しておくので、今後Fanatecに注文される皆々様の心の安寧に役立てば幸いである。

 

念のため。本記事はFanatecを批判する意図は一切ない。

Fanatecのスタッフも苦しんでいることは問い合わせに対する返答からも痛いほど伝わってくる。

また、「お前みたいな奴が何度も問い合わせをするから配送がより遅れるのであろう」と有識者諸兄から私がお叱りを受けることも予想している。

全くもってその通りである。

結局のところ我々は、ただただ座して待つしかないのだ。

お叱りをくださる有識者諸兄もきっと一度は通った道なのであろう。

私も今回の一件でその道を通ることとなった。

今後の道しるべ、この拙文が存在する意味はその一点に尽きることをまず述べさせていただく。

なお、その道中に私の振る舞いへの反省も存在するため、適宜立ち寄らせていただく。

 

早期の完結を望むとともに、Fanatecを愛する人、サポートチーム、惜しくもFanatecと決別してしまった人、全ての人々にあらん限りの幸せを。

 

0. 事の起こり(2023.11.21)

Fanatecのブラックフライデーセールは中々良いものであった4

ほくほくとした気分で私が注文したものは、下記の通りである。

・QR2 Wheel-Side

・QR2 Base-Side (Type-C)

・ClubSport Steering Wheel F1® 2023

・ClubSport Magnetic Paddle Module

バンドルディスカウントもあり、率直に言ってかなり良心的な価格であった。

当時CSL DDとClubsport Steereing Wheel RSを使用していため5、剛性が向上したと評判の良いQR2へのアップグレードが可能になることに加えて、限定のフォーミュラステアリングが手に入るということで非常に良い収穫となるはずであった。

注文後にウェブサイトで注文内容を確認するとQR2の入荷日が2023.12.18と表示されていたため、順調に行けば年内の出荷が見込めるであろうと考えていた。

 

1. 問い合わせ冬の陣(2023.12.20)

今思い返せば、問い合わせるにはまだ早いだろうと自分でも思う。

しかし、この時点ではブラックフライデーセールの発送が遅延気味であることも問い合わせが殺到していることも全く把握しておらず、ただ気になったので聞いてみたのであった6

7,8「ウェブサイトでは入荷日が2023.12.18だけど、いつ出荷されるの?」

Fanatec「年末年始に伴い原文ママ)、来年以降の発送になるよ。」

私「フォーラムを見ると1月初旬に棚卸がある9って書いてるけど、もしかしてそれ以降?」

Fanatec「2024.01.09以降になる見込みだよ。」

私「『年末年始に伴い』ってことは発送遅れはもっと早く分かってたんじゃ…。早めに遅延は伝えて欲しかったよ。」

Fanatec「連絡できてなくてごめんね。メリークリスマス!」

 

2. 問い合わせ新春の陣(2024.01.09以降)

前回問い合わせのやり取りからして、棚卸も終わっていよいよ発送だろうと思ってはいたが、連絡は一向に無い。

反省すべき点であるが、これまでの海外通販の経験上10、多少圧をかけないと発送が行われないのではないかと思って重ねての問い合わせを行ってしまった。

2024.01.13の私「明けましておめでとう。それはそうと発送日を教えてくれ!」

2024.01.19の私「おーい。01.13の問い合わせを再送するよ!」

返答は無かった…。しかし…!

 

3. Status has chaged!

3度目の問い合わせを行った直後(メール履歴を見ると約9時間後)、吉報が届いた。

2024.01.19 Fanatec「注文のステータスが"warehouse processing"に変わったよ!You will receive the tracking number soon in a separate email.原文ママ)」

やっとここまで来たか、と決着を予感した11

メールにもすぐに追跡番号が送られると書いてあることをこの目で確認した。

2度目、3度目の問い合わせには返答が無かったが、商品が届いてしまえばそんなことは些末な問題である。

その日は安心して、iracingで当時お気に入りのFormula Vee12レースに参戦した。

 

4. ARE…?13

安寧の日々を送っていた私ではあるが、何かを忘れているような…?

そう、結局全く届いていないのである。

問い合わせ文を見返すと、この頃の私は非常に怒り、焦り、悲しんでいたようである14

2024.01.25の私「発送ステータスはwarehouse processingに変わってるけど、発送されていないよ。本当に発送作業行われてる?」

2024.02.01の私「warehouse processingからもう2週間ぐらい経ってるよ。これ大丈夫?」

返答は…。

無い…。

 

5. 諦めに似た何か

2024.02.04、私はSimagicのAlpha Mini(ホイールベース)とフォーミュラステアリングを注文した。

その通り、ついにFanatecとの別れを決意したのである。

それまでは一通りFanatec製品でレースシム環境を構築していた15が、ついに大部分がSimagicに置き換わった16

待つことにはもう疲れた17

私は待ち合わせでも必ず早めに着くようにしているが、結局のところ待つことの苦痛を知っており他人に味合わせたくないからではないかと気づいた。

急ぐ理由は無いが、終わらない取引を気にし続けるのは正直言って苦痛である。

心にしこりを残してはいけない、と重ねて問い合わせをした18

2024.02.19の私「問い合わせに返答が全く無いよ!本当にこのまま待っていれば商品は届くの…?」

 

6. 怒涛の返答

2024.02.26から2024.03.01にかけて、3件の返答がFanatecから届いた19

ほぼ同時に3件の返答が来るとは、Fanatecサポートチーム内でも連携が取れていないのでは、と少し思ってしまった。

恐らくブラックフライデー以降てんやわんやなのであろう。

2024.02.26 Fanatec「限定ステアリングが人気で発送が遅れてるよ。この件は上司にも報告したから発送にまだ時間がかかる場合は連絡するよ。Fanatecチームもこの状況は辛いし、お客様がもっと辛いことはもちろん把握してるよ。でも、比較的早期にこの件は解決すると楽観視してるよ!Please keep an eye on your tracking numbers in the next days for status changes.原文ママ)」

まあそうであろう。

全員がこの状況は辛いんだ、とこれまでの重ねての問い合わせを改めて反省するにいたった。

どうにか発送に向かっていて楽観的だそうだし、もう何日かで追跡番号も来ると言っているし、もう急ぐこともない。

しかし、まだFanatecは驚かせてくれる。

新事実が以降のメールで発覚した。

2024.02.27 Fanatec「I have just received the confirmation, that the missing wheel is currently on the way to our warehouse.(原文ママ)今週の終わりには、次の供給が来るよ!

何と、注文したステアリングは倉庫にまだ届いてすらいなかったようだ。

その後のメールでも…。

2024.03.01 Fanatec「残念ながら日本倉庫に限定ステアリングの在庫が無いため出荷できてないよ。We would like to reassure you that the ClubSport Steering Wheel F1® 2023 is expected to arrive at our Japanese warehouse very soon,(以下略、原文ママ)」

やはり在庫は無かったようではあるが、すぐ届くとのことである。

色々と思うところはある20ものの、先に述べた通りすでに急ぐ理由も無い。

 

7. 現在に至る。

さて、ここで冒頭の一文に戻ると次の通りである。

「結論を先に述べてしまうが、注文から4か月が経過しようとしている2024.03.11、まだ商品を受け取ることはできていない。」

結果としてFanatecから返答をもらった後10日以上が経過したが、発送は行われていない。

これも冒頭の一文を思い返していただきたい。

「本記事はFanatecを批判する意図は一切ない。」

Fanatecがキャパシティを超える注文を受けてしまったのであろうことは予想に難くない。

これはもはや仕方のないことだし、多くの人にFanatec製品を届けたい思いは理解できる。

Fanatecデバイスの人気と信頼性が招いた悲劇なのであろう。

どちらかと言えば批判を受けるべきは問い合わせを重ねた私かもしれない。

ただ、どうか寛大な心で有識者諸兄には見逃していただきたい。

Fanatecサポートチームの努力と問い合わせへの対応に感謝しつつ、締めの一言21へと向かわせていただく。

 

8. 締めの一言と今後の展望

そろそろ流石に届くだろうと楽観的に思ってはいるが、明後日から1週間ほど生憎出張で家を空ける。

出張から戻るまでに届いてくれていると当然喜ばしいが、重ね重ねもはや急ぐ理由も無いので自らの振る舞いを反省しながら座して待つこととする。

まだ届いていないと不安になっている同志がいれば安心して欲しい。君だけではない!

完結編の構想を練りながら出張に向かうとしよう22

 


1 そもそも注文時点で一部商品(限定ステアリング)の入荷日が2023.12.15となっており、発送まで1か月ぐらいかかるであろうことは承知していた。

2 Fanatec公式HPでのコミュニティを見てみると、届いていない人は世界中にいるようだ。有識者からすればそんなものだと一笑に付すものなのだろう。

3 最近国内でも中級以上へのシェアを伸ばしている(と思われる)中国のメーカー。

4 先述の通り、著者のFanatecブラックフライデー参戦は初であるとともに、純粋な私見である。

5 円形ステアリングも気に入っていたが、フォーミュラタイプのステアリングも非常に趣がある。

6 呑気な割にせっかちな奴である。

7 問い合わせは基本的に英語で行ったが、日本語で返ってくることもあった。日本語で問い合わせても返事が来るのかもしれない。公式にどちらが推奨されているのかは不明。

8 問い合わせのやり取りは要約。適宜和訳・文体の変更は行っているが、内容は捻じ曲げていない。

9 この辺りで公式HPでのフォーラムを見に行って、ブラックフライデーセール注文の配送遅延や棚卸の事実を知った。

10 Fanatecは日本国内にも拠点を持っているため、厳密に言えば海外通販ではないであろう。

11 以前に数回、Fanatecで購入した際も、warehouse processingに変わってからは早かった。

12 Formula Veeはほとんど3速と4速で走るためギアチェンジの負担が小さい。また車重が軽いこと等によるダイレクト感や破綻しづらさから割にイージーにレースを楽しむことができる(と私は思っている)。

13 特定の団体とは関係ありません。

14 自分の問い合わせを見返すと何とも嫌味ったらしく書こうとしている。性格の悪い奴だ。嫌味が拙い英語で伝わっていない可能性もあるが…。

15 本件とは関係なくペダルは2023.11末にすでにSimagicに乗り換えていた。CSL Pedals LCをとりあえず使っていたところからのアップグレードであり、油圧ブレーキペダルとアクセルダンパーが非常にお気に入りである。

16 シフターはFanatecを引き続き使用している。FanatecのシフターはHパターンとシーケンシャルが簡単に切替できるし、感触も良くコスパ抜群である。Simagicの同種シフターも使ってみたいのはここだけの秘密。

17 物欲への言い分けではないかと思ったそこのあなた。勘のいいガキはうんぬんかんぬん。

18 するな。未来の自分より。

19 どの返答がどの問い合わせに対してかは把握していない。ほぼ同様の内容のため必要が無い。

20 年末年始の問い合わせやり取りは何だったのであろうか…。

21 乾杯の一言は短くあるべきだが、締めの一言は多少長くても全員酔っぱらっていて聞いていないため許されがちである。

22 CSL DDはまだ売却していないため、届いた暁にはFanatec - Simagicの徹底レビューを行っても面白いかもしれない。